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2017年10月号(2)
保険
CFP®認定者 森田 和子

働けない時の収入ダウンに備える所得補償保険について

 共働きやシングルの世帯が増えたこともあり、死亡した場合に保険金を受け取る保障よりも、生きている間の保障により高い関心が寄せられるようになっています。医療保険や介護保険などがありますが、所得補償保険もその一つです。近年、取り扱う保険会社が増えたことで、この保険に興味を持つ方も増えています。

所得補償保険とは

 所得補償保険とは、働けなくなった場合に毎月給付金を受け取る保険です。他にも就業不能保険、お給料保険、給与サポート保険などの名称がありますが、いずれも同様の保険です。
 病気やケガを原因として働くことができなくなり、60日や180日など決められた期間を経過すると、10万円や30万円など定額の給付金が支払われます。給付金の金額は加入者が選択できますが、収入の6~7割を限度とするのが一般的です。専業主婦が加入できる保険もあります。
 保険金の支払いは働くことができるようになるまで、または60歳や65歳など契約時に決めた保険期間が終了するまで続きます。
 保険料は保険商品によって違いがありますが、一例を挙げると35歳男性で2600円台、35歳女性で2500円台という水準です。

加入前に健康保険を確認

 この保険への加入を検討する時に必ず確認しておきたいのは公的な保障です。
 会社員や公務員などは病気やケガで働けなくなった場合には、健康保険から傷病手当金が支払われます。休業4日目から1年6ヵ月の間は標準報酬月額の3分の2相当額が給付されるので、働くことができなくなっても直ぐに収入が途絶えるわけではありません。
 さらに、健康保険組合によっては給付を上乗せするところもあり、傷病手当金と合わせて給与の8割程度を給付する組合や、傷病手当金が1年6ヵ月で終了した後もさらに6ヵ月給付する組合などもあります。加入している健康保険組合の給付内容を確認した上で適切な保障額を決めるとよいでしょう。
 一方、自営業の方などが加入する国民年金には傷病手当金がありません。働けなくなることが収入ダウンに直結しやすいので、傷病手当金の代用として所得補償保険を利用することも考えられます。

収入保障保険との違いに注意

 注意が必要なのは似たような名称の「収入保障保険、家族収入保険、生活保障保険」などで、これらは死亡や高度障害の場合を保障する死亡保険です。失明や下半身不随などの高度障害時には本人が保険金を受け取る場合もありますが、基本的には、死亡した場合に受取人に指定された家族などが保険金を受け取る死亡保障なので、生きている間の保障である所得補償保険とは異なる保険です。名称が紛らわしいので、所得補償保険に加入するつもりで収入保障保険の契約をしてしまう、ということのないように気を付けたいものです。

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