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ファイナンシャル・プランナーズ・アイ
くらしとお金のプロフェッショナル「ファイナンシャル・プランナー(FP)」がお送りする連載コラム。月替わりの担当者FPが、法律や税金の解説から社会情勢、また生活の中で見つけたちょっとしたアイディアまで、幅広い視点でお送りします。
 コラムニスト
ファイナンシャル・プランナー
堀江雄二
 「借地権」アラカルト


頻度は余り高くありませんが、時々「借地権」に関するお問い合わせをいただくことがあります。
建物所有を目的とする借地権には、「地上権」と「賃借権」とがあります。「地上権」は民法上の用益物権でその権利は登記する事ができ、地上権の土地上の建物については地主の許可なく自由に譲渡や転貸が可能です。一方「土地賃借権」については、借地権の行使や譲渡に際し地主との関係で色々な制約があります。以下、主に「土地賃借権」に基づく借地権についてコメントいたします。

借地法の歴史は古く、明治42年の「建物保護法」の制定にまで遡ります。この法律により、借地人は自分の建物を登記さえしておけば、地主が交代しても新地主に対して借地権を主張できるようになりました。
その後、大正10年の「借地法」制定、昭和16年と41年の「借地法」改正、平成4年の「借地借家法」制定と推移し、今日に至っています。特に昭和41年の改正では建物の増改築・再築、借地権自体の譲渡、借地の転貸について、地主の承諾が得られない場合は裁判所による許可を得れば(借地非訟事件手続き)実行が可能になりました。この結果、債権である借地権(賃借権)は、物権である所有権と同程度の効力を持つことになりました。
借地人の立場は強いと言われる所以です。平成4年7月31日以前に結ばれた借地契約には、全てこの改正が適用されます。

「借地権」には相続税評価額(路線価)が決められており、所在地によって所有権(更地)価格の30〜90%の割合になっています。(路線価図にA=90%〜G=30%まで、アルファベットで7段階表示されています。)また一般的に、契約更新や建物増・改築等に際しては、下記名目の「承諾料」(借地人が地主に支払う費用)が必要になります。その金額は借地権価格or更地価格の3〜10%程度に多く見られますが、この割合は最終的には地主・借地人間の合意や裁判所の決定によります。
(1)借地契約更新料、(2)名義変更承諾料、(3)建替え承諾料、(4)増築承諾料、(5)条件変更承諾料(普通建物から堅固建物への変更)
例えば、木造の戸建てが古くなり鉄筋コンクリートの建物に建替える場合には、上記(5)の承諾料が必要になります。またその際に住宅ローンを借りようとすれば、金融機関から地主の承諾書(確認書)を求められますので、借地人は予め地主に話を通し了解を得ておくことが必要です。

時々、古くから借地上の建物に住んでいるが借地契約書がないので心配だという方がおられますが、旧借地法に基づく借地契約(平成4年7月31日以前の契約)は「契約書」等の書類を必要としないので、たとえ「契約書」がなくても、借地契約自体は有効に成立しています。更に、「借地権の登記」がなされていなくても(通常はほとんど登記されていない)、借地上に現に建物が存在し、その建物が借地人名義で登記されていれば、地主が代ったとしても第三者(新地主)に対抗することができますので、ご安心ください。
上記のように旧借地法に基づく「借地権」は大変強い権利ですので、どうせ借地だから大した価値はないなどと早合点せず、その内容をよく理解した上で、ライフプラン上有効に役立てていただきたいと思います。



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