当初の予定より2年延期となったペイオフ全面解禁、最近は、とりあえず全額保護される普通預金に入れておけば安心という事で、世の中の関心は今一つというところですが、1年半後には又確実に直面する問題でもあります。
では、このペイオフとは一体どのような制度なのでしょうか?金融広報中央委員会が発行している「金融商品の保護」という小冊子を見ると、「預金者の保護とは」というところで、「預金とは、その言葉どおり、金融機関にお金を預けることです。“預かったものはちゃんと返します”という約束を果たすために、金融機関は自らに“保険”を掛けています。
すなわち、金融機関自身が保険料を払い、自ら破綻した(預金の払い戻しができない状態になった)時には、預金者に対して保険金が直接支払われる、あるいは、預金等を譲り受ける救済金融機関に対して資金援助が行われ、預金が保護されるようにしているのです。」とあります。
でも、“預金”とは、果たして本当に“金融機関にお金を預けること”なのでしょうか?何かをどこかに預けるには、必ず預かってもらう費用をこちら側で支払います。でも、金融機関に預金すると、私達はその預金に対して利息をもらうことができます。つまり、表向きは“預ける”ことかもしれませんが、本当は、“預金する”ということは“金融機関にお金を貸している。その見返りとして利息をもらっている”ことなのです。
だから、貸している先が破綻したら、貸したものは返ってこないかもしれない覚悟が必要なのです。そして、そういう心構えで、自らの責任で金融機関を選択することがこれからは求められる世の中になるということなのです。
“預金が全額守られる”という状態は一定期間の特別な措置で、本来は一定額までしか保護されないという状態が普通なのです。金融機関が破綻するなどということは全く考えられなかった時代に日本の「預金保険制度」はできたのですが、金融不安が起こり始めた1996年に特例措置として、期限付きで「ペイオフ凍結」が実施され、現在に至っています。
大事なことは、単に預金を全額保護してもらうことではなく、私達もある程度のリスクを受け入れながら、金融機関を見る目を厳しくして、その結果、金融機関が自らの健全性に努力することなのではないでしょうか?そして、政府は金融機関をきちんとモニタリングして、できれば債務超過ぎりぎりのところで迅速に処理をする、これが預金者の負担を少なくする最良の方法です。処理が遅れれば遅れるほど、預金のカット率は大きくなるかもしれません。そう考えると、「ペイオフ解禁の延期」は何を意味するのか、真剣に考えてみる必要がありそうですね。